【税理士が解説】障害者がいる場合の相続はどうする?分かりやすく解説!
目次

「障害のある子どもに財産を残したいけど、相続はどうなる?」
「障害者控除って使える?」
「親亡き後の生活が心配…」
相続では、相続人の中に障害者の方がいる場合、通常の相続以上に慎重な準備が必要になります。
特に、
- ・将来の生活費
- ・財産管理
- ・相続税
- ・遺産分割
- ・親亡き後問題
など、考えるべきポイントが多く、「何から準備すればいいか分からない」というご相談も少なくありません。
障害者がいる相続は“将来の生活”まで考えることが重要です
障害者がいる場合の相続では、「多めに財産を渡しておけば安心」というわけではありません。
なぜなら、
- ・財産管理が難しい場合がある
- ・継続的な生活支援が必要
- ・将来の介護費用が発生する
- ・二次相続まで考える必要がある
からです。
実際、親御さんからは、「自分たちが亡くなった後、この子の生活は大丈夫だろうか…」という不安の声を多くいただきます。
そのため、相続税対策だけでなく、“将来の生活設計”まで含めた相続対策が重要になります。
一般障害者と特別障害者とは?
障害の程度によって区分されます!
一般障害者
- 身体障害者手帳3級~6級の方
- 精神障害者保健福祉手帳2級または3級の方
- 療育手帳(B)など、知的障害者と判定された方(重度以外)
特別障害者
- 身体障害者手帳1級または2級の方
- 精神障害者保健福祉手帳1級の方
- 療育手帳(A)など、重度の知的障害者と判定された方
- 常に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態にある方
上記以外にも、戦傷病者手帳の交付を受けている方や、市区町村から「障害者控除対象者認定書」の交付を受けている要介護認定者なども対象となる場合があります。
個別判断になるような場合もあるため、事前確認が重要です。
障害者がいる場合の遺産分割で注意したいポイント
“平等”より“将来の生活保障”が重要になることも!
相続では、「兄弟で平等に分けるべき」と考えられがちです。
しかし、障害者がいる場合は、
- ・将来の生活費
- ・医療費
- ・介護費用
- ・支援体制
などを踏まえて、遺産分割を検討する必要があります。
例えば、
- ・障害のある子へ多めに財産を残す
- ・現金を厚めに配分する
- ・収益不動産を承継する
- ・家族信託を活用する
など、状況に応じた対策が重要です。
親亡き後問題と相続対策
将来の財産管理まで考えておく必要があります!
障害者がいる相続で特に重要なのが、“親亡き後問題”です。
親御さんが元気なうちは支援できますが、相続発生後は、
- ✓誰が財産管理する?
- ✓誰が生活支援する?
- ✓不動産管理はどうする?
- ✓施設費用は足りる?
といった問題が発生します。
そのため、生前からの準備が非常に重要です。
障害者がいる場合によく使われる相続対策
家族信託
近年増えているのが「家族信託」です。
信頼できる家族へ財産管理を任せることで、預金管理・不動産管理・生活費支援などを継続しやすくなります。
遺言書
遺言書も重要です。
例えば、
- ・誰に何を残すか
- ・障害者へ重点配分する理由
- ・財産管理者を指定する
などを明確にできます。
遺言書がない場合、相続人間でトラブルになるケースもあります。
障害者がいる相続は税理士への相談が重要です!
控除適用や将来設計まで含めた検討が必要です!
障害者がいる相続では、
- ・障害者控除
- ・扶養義務者への控除移転
- ・過去相続との関係
- ・二次相続
- ・財産管理
など、専門的な判断が必要になる場面が多くあります。
特に、
- ・過去の相続で障害者控除を受けている
- ・障害者本人に税額が出ない
- ・将来の生活費を確保したい
というケースでは、相続税だけでなく“家族全体の将来設計”まで考えることが重要です。
税理士へ相談いただくことで、
- ・相続税シミュレーション
- ・障害者控除の適用確認
- ・二次相続対策
- ・遺産分割アドバイス
- ・他士業との連携
までまとめて進めることができます。
相続税の障害者控除とは?
障害者の相続税負担を軽減する制度です!
相続税には、「障害者控除」という制度があります。
これは、障害者である法定相続人について、一定額を相続税から控除できる制度です。
障害者控除が受けられるのは、次のすべてに当てはまる人です。
相続税の障害者控除の要件
(1)相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人
(2)相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人
(3)相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること
(4)相続や遺贈で財産を取得したときに85歳未満であること
相続税の障害者控除の計算方法
年齢によって控除額が変わります
控除額は、「85歳までの年数 × 一定額」で計算します。
●一般障害者の場合:1年につき10万円
●特別障害者の場合:1年につき20万円 ※なお、年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは、切り上げて1年として計算します。
控除額の具体例
例えば、40歳6か月の特別障害者の場合、
【85歳 − 40歳6か月= 44年6か月】となりますが、1年未満は切り上げるため、【45年 × 20万円 = 900万円】が相続税額から控除されます。
相続税額によっては、大きな節税効果になるケースもあります。
障害者控除が引き切れない場合はどうなる?
扶養義務者の相続税から差し引くことができます
障害者控除額が大きく、障害者本人の相続税額から控除しきれないケースがあります。
例えば、
- 障害者控除額:900万円
- 本人の相続税額:100万円
という場合、800万円分が余ることになります。
この場合、引き切れなかった障害者控除額については、その障害者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。
扶養義務者とは?
- 配偶者・父母・子・兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。
そのため、障害者本人に相続税がほとんど発生しない場合でも、ご家族全体の相続税軽減につながるケースがあります。
過去の相続税申告で障害者控除を受けている場合は?
前回の控除額との差額計算になります!
障害者控除は、何度でも満額受けられるわけではありません。
その障害者が、今回の相続以前にも障害者控除を受けている場合は、過去に受けた控除額を考慮して計算します。
つまり、「今回計算した障害者控除額 - 前回以前に受けた控除額」が、今回受けられる控除額になります。
具体例)
例えば、
●前回相続時:控除額:400万円使用
●今回相続時:本来の控除額:900万円
の場合、【900万円 − 400万円 = 500万円】が、今回受けられる障害者控除額となります。
そのため、過去の相続税申告内容の確認も非常に重要になります。
相続で不安を感じたら、早めにご相談ください
相続は“早めの準備”が安心につながります
障害者がいる場合の相続は、ご家族だけで抱え込むと非常に大きな負担になりやすいです。
特に、
- 将来の生活が不安
- 相続税が心配
- 障害者控除が使えるか分からない
- 遺言書を作りたい
- 財産管理をどうするか悩んでいる
という方は、早めの相談が重要です。
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、相続は突然発生することがあります。
大切なご家族の将来を守るためにも、ぜひ一度、税理士へご相談ください。
>>当事務所の無料相談はこちら


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